法律を破らない!整体院・鍼灸院のチラシ作成・広告表現のコツ

法律を破らない!整体院・鍼灸院のチラシ作成・広告表現のコツ
整体院・整骨院・鍼灸院を開業するときには、広告宣伝することがとても重要です。
なぜなら開業しただけでは、誰もあなたの整体院・接骨院・鍼灸院の存在を知ることができないからです。
 
「開業した」ことを伝えて知ってもらい、あなたの整体院・整骨院・鍼灸院に多くの人に来てもらえるようにしましょう。
 
広告宣伝をして集客する方法は、現在大きく分けて2つの手法が存在します。それは、インターネットを使ったオンラインの集客と、チラシやDMなどの紙を使ったオフラインの集客です。
 
どちらも大切な集客法で両方に取り組むのがベストですが、今回はオフライン上の集客「チラシ」にクローズアップしていきたいと思います。

整体院・整骨院・鍼灸院の集客は、地元での認知度アップがカギ

整体院・整骨院・鍼灸院の集客は、地元での認知度アップがカギ
整体院・整骨院・鍼灸院は、地域密着型のビジネスです。大手のチェーン店でもない限り、わざわざ電車や車に乗って遠くの整体院・整骨院・鍼灸院に来てくれる人はなかなかいません。
 
つまり、地元の人にどれだけ来てもらえるかが集客のカギを握ります。
整体院・整骨院・鍼灸院の集客では、まず地元の人にしっかり認知してもらうことが大切です。
 
そう考えると整体院・整骨院・鍼灸院の集客ツールとして、チラシはとても優秀だと言えるでしょう。ホームページ単体で集客するだけでなく、チラシからホームページへ誘導すると、効率よく集客ができます。
 
そこで次から、整体院・整骨院・鍼灸院のチラシ作成のポイントをお伝えしていきたいと思います。

整体院・整骨院・鍼灸院 チラシ作成のコツ

整体院・整骨院・鍼灸院 チラシ作成のコツ
整体院・整骨院・鍼灸院のチラシ作成で難しいのは、広告表現に法律による規制があるところです。この規制を守らずに書いてしまうと、当然ですが違法広告になってしまいます。
 
掲載できる内容が限られているので、法律を遵守していると、
 
 ・他と差別化できない
 ・独自性をアピールしにくい
 
という問題があります。そのため実際のところ、違法広告が横行しているのが現状です。
 
しかしだからといって、同じように違法広告を出すわけにはいきません。広告モラルを守り、お客様との信頼関係を構築できるようにしておきましょう。
 
それでは早速、合法的にチラシで魅力を伝えていくコツをご紹介していきます。

法律を破らず「整骨院」の魅力を伝える! チラシ作成のコツ

法律を破らず「整骨院」の魅力を伝える! チラシ作成のコツ

整骨院のチラシ作成には、「柔道整復師法」による表現規制があります。柔道整復師の方ならご存知の人も多いかと思いますが、広告に書いても良い事項が「柔道整復師法」には定められているのです。

具体的に、書いても良い内容は、以下のことになります。

【整骨院のチラシに掲載できること】

・開業者が柔道整復師の資格を持っていること
・柔道整復師の資格を持っている人の名前
・整骨院の住所や電話番号
・施術をしている時間・曜日(営業日・営業時間など)
・出張による施術ができること
・予約制であること
・駐車場があること
 
書いて良いとされているのは、たったこれだけです。
ここに書いてある内容以外のことを掲載したら、法律違反になってしまいます。
 
たとえば、お客さまの声や写真、柔道整復師の経歴、施術でどんな効果が期待できるかなどを書いてしまったらNGです。また、「肩こり」などの症例名を出すことも認められていません。
 
では上記の掲載できる内容を守って、魅力をアピールするにはどうしたら良いのでしょうか。
 

コツ1 写真を上手に活用して安心感を伝える

コツ1 写真を上手に活用して安心感を伝える
コツの1つ目としてご紹介したいのが、写真を活用して「安心感」を与える方法です。
 
法律による施術風景の写真掲載は禁じられています。
しかし「柔道整復師やスタッフの写真」「院内の様子」の写真はグレーゾーンです。
 
施術してくれる人の雰囲気や、施術する場所の様子などが分かると、お客様も安心します。優しそうな院長、綺麗で清潔な院内、笑顔の明るいスタッフなどが写真で掲載されていたら、ほとんどの人が好印象を持つはずです。
 
こうした写真を上手に活用して、院の雰囲気を伝え、安心感を抱いてもらいましょう。
ただ、あくまでグレーゾーンです。掲載NGの注意を受ける可能性もゼロではありませんので、表現の行き過ぎにはよく注意してください。

コツ2 ホームページへ誘導する

コツ2 ホームページへ誘導する
コツの2つ目としてご紹介したいのが、チラシとホームページの組み合わせです。ホームページへ誘導するためのチラシをぜひ作成してみてください。
 
なぜなら、整骨院で広告規制の対象となっているのは、以下の4つだからです。
 
 ・「看板」等の院の外観
 ・新聞折込やポスティング等で配布される「チラシ」
 ・新聞・雑誌などに掲載した広告
 ・インターネット上のバナー広告
 ・リスティング広告など(有料で検索サイトの上位に表示される検索結果)
 
これを見る限り、ホームページは広告規制の対象にはなっていません。
つまりホームページになら、「院長の経歴」「お客様の声」「施術内容」「院の特長」「スタッフや院内の雰囲気」など、様々な情報を掲載できるのです。
 
チラシは基本情報しか掲載できないので、あくまで院名を「認知」してもらうために作成すること。そしてチラシを見た人たちに院名で検索してもらいましょう。ホームページのQRコードをチラシに掲載しても差し支えありません。
 
チラシは魅力を伝えるために作成するのではなく、ホームページへきてもらうために作成すると非常に効果的です。

法律を破らず「整体院」の魅力を伝える! チラシ作成のコツ

法律を破らず「整体院」の魅力を伝える! チラシ作成のコツ
整体院も整骨院と同じく、広告表現の方法に、法律上の規制があります。整体院の場合、健康食品や健康器具・医療器具を取り扱う場合もあるので、整骨院に比べると関わってくる法律も多く、ちょっと大変です。
 
整体院が広告を作成するときに知っておきたい法律は、以下の4つが挙げられます。
 
 ・医師法
 ・あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(通称:あはき法)
 ・医薬品医療機器法(旧薬事法)
 ・景品表示法
 
これらの法律をきちんと守って、チラシ作成をしていきましょう。それでは具体的に、整体院のチラシに掲載できることをご紹介します。

【整体院のチラシに掲載できること】

 ・施術者の名前や住所
 ・業務の種類について
 ・施術所の名称、電話番号
 ・営業時間
 ・予約できるか
 ・出張による施術の実施について
 ・駐車場の案内
 
これ以外の内容は、チラシに記載できません。
たとえば、出身校や経歴、所属学会や施術方法は、広告への記載NGです。

コツ1 医療を想起させる言葉は言い換える

コツ1 医療を想起させる言葉は言い換える
整体は「医業類似行為」であり、「医業」ではありません。整体は民間資格の療術で、無届の「医業類似行為」です。
 
「クリニック」や「治療院」勘違いする可能性がある名称や「治療する」「治す」などの表現は使えません。
 
広告では「治療」の代わりに、「施術」「癒す」「和らげる」「トリートメント」といった表現に言い換えて、上手く伝えていきましょう。

コツ2 整体院で「健康食品」を扱うなら、「医療品」と誤解を招かない表現を

コツ2 整体院で「健康食品」を扱うなら、「医療品」と誤解を招かない表現を
整体院では健康食品や医療器具、健康器具などを販売しているケースもあります。
これを広告で表現する場合、医薬品医療機器法(旧薬事法)や景品表示法、そして特定商取引法が関わってきます。
 
細かいNG表現は、実際の法律に当たってみた方が確実です。大枠は、「医薬品」「医療品」と勘違いされるような表現を使わないこと。
 
 「身体の病気や症状を改善する」
 「医薬品的な効能効果」
 「治療や予防による効能効果」
 「増強、増進させる」
 
などを想起させたら、すべてNGになります。たとえば、
 
 「〇〇が治る」
 「〇〇が消える」
 「〇〇予防に効果的」
 「〇〇で代謝アップ」
 「〇〇改善」
 「〇〇を解消」
 
などが該当します。これはチラシでの表現だけでなく、口頭で商品を説明する場合にも同様なので、十分に注意しなくてはいけません。
 
そこで「医療品」「医薬品」と思われないよう、表現をぼかしてチラシを作成するのがコツです。こういった表現を目にしたことはないでしょうか?
 
 「中高年の健康維持」
 「足りない栄養素を補う」
 「栄養補給に最適」
 「カロリーコントロールに」
 「ビタミン、ミネラルを豊富に含む」
 
など。
 
「健康維持」のように現状を維持する表現ならOK。今の状態を改善・治療すると言っている訳ではないので、広告表現として問題なく使えます。
 
また「ビタミン、ミネラルを含む」などのように、実際に含まれている成分の表記はOK。ここで成分の効能を書いてしまうとNGになってしまうので気を付けてください。
 
さらに、特定の部位や特定の症状に限定して表記するのはNGです。美顔、足やせなどの特定の部位はもちろん、高血圧などの症例名をなどを使ってしまったら、NGになってしまうので、そういった症例名や部位を用いず、曖昧に表現するのがポイントです。

コツ3 整体院で「健康器具」を扱うなら、避けておきたい広告表現

コツ3 整体院で「健康器具」を扱うなら、避けておきたい広告表現
健康器具は、医薬品医療機器法(旧薬事法)において、治療効果が認められていません。
そのため、健康器具も同様に、「治療」「治る」という表現は避けましょう。
 
また、健康器具には、景品表示法も関わってきます。「一度施術を受ければ元に戻らない」など、誇張した表現は禁じられています。
 
効果の「永続性」を期待させる表現は避けるようにしましょう。

法律を破らず「鍼灸院」の魅力を伝える! チラシ作成のコツ

法律を破らず「鍼灸院」の魅力を伝える! チラシ作成のコツ
鍼灸院の広告表現は、整体院と同様、「あはき法」によって制限されています。
 
鍼師、灸師などが行う施術は「医業類似行為」に当たり、「医業」ではありません。
医師以外の者が医行為を行ったり、医行為を連想させる広告表現を使ったりするのはNGです。「医師法」・「医療法」に抵触する可能性があるので、十分に気を付けましょう。
 
それでは具体的に、鍼灸院のチラシに掲載できることをご紹介します。

【鍼灸院のチラシに掲載できること】

 ・施術者であること、施術者の氏名や住所
 ・業務の種類(あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業、きゅう業)
 ・施術所の名称と電話番号、所在地の表示
 ・その他厚生労働大臣が指定する事項
 ・医療保険療養費支給申請ができること
  (申請については医師の同意が必要な旨を明記する場合に限る)
 ・予約ができること
 ・休日や夜間にも施術ができること
 ・出張による施術ができること
 ・注射設備に関すること
 ・施術所の開設届を各都道府県知事に届け出たこと

コツ 医師や医行為を連想させる言葉は使わない

コツ 医師や医行為を連想させる言葉は使わない
先にご紹介した通り、医業類似行為に分類される鍼灸院の広告では、「医師」や「医行為」を連想させる言葉は使えません。それを意識せずに書いてしまうと、つい以下のような表現をしてしまいます。
 
 ・ドクター、医師
 ・患者
 ・治る、完治する
 
ここまでは少し考えれば、すぐにNGであることに気づくかと思います。気づきにくいのが、以下のような表現です。
 
 ・診察、診療、問診
 ・休診
 ・診療時間
 ・院内
 
これらは見落としがちな表現です。現在もしすでに広告物をお持ちでしたら、このような表現をしていないか、確認してみてください。

整体院・整骨院・鍼灸院 チラシ作成のコツ まとめ

整体院・整骨院・鍼灸院 チラシ作成のコツ まとめ
いかがだったでしょうか。
整体院・整骨院・鍼灸院において、チラシはとても大切な広告手法ですが、法律による表現の規制が多いのも事実です。
 
法律を守っていると、他と差別化できなかったり、魅力をアピールしたりできないため、現状、法律を守っていない広告も多く存在します。
 
しかし、もしそれで法律に抵触していることが明るみに出てしまったら、お客様からの信頼を一気に失うことになってしまいます。信頼は一朝一夕では取り戻せません。
 
広告物は必ず法律を守り、許された範囲内の表現を使って上手に活用しましょう。チラシはただ単に「事実としての基本情報」を羅列することしかできませんが、「認知度アップ」に十分活用できます。まずはチラシで、存在を覚えてもらえるようにしましょう。
 
また、チラシは「ホームページへ来てもらう」ことにも活用できます。 
ホームページは、現在のところ広告規制の対象外です。平成29年8月24日から「医療機関ネットパトロール」(医業等に係るウェブサイトの監視体制強化事業)が始まりましたが、やはり整骨院・鍼灸院のホームページは監視対象外となっています。
 
つまりホームページであれば、チラシには掲載できない詳しい内容が書けるということです。
 
さすがに誇大広告やお客さんの誤解を招く表現(医療行為を行っている、完治する、改善するなど)は広告モラル的にも避けた方が無難ですが、「院の特徴」や「施術内容」写真など、魅力を伝える工夫が存分にできます。
 
チラシからホームページへ誘導し、ホームページで整体院・整骨院・鍼灸院の魅力を伝えるようにすると、効率よく集客できるでしょう。
ぜひチラシとホームページを上手に組み合わせて、集客にご活用ください。